第3章

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香菜が部屋にコーヒーを飲みに来るのが当たり前のようになるのにそう時間は掛からなかった。 彼女は近くのクラブで働いている。 智之は外に出る理由があまり無い売れない作家。 香菜を拒む明確な理由も無かった。 下心が無いと言ったら嘘になるが、ただコーヒーを共に味わう時間が妙に心地よかった。 あまりにも自分の淹れたコーヒーを美味しそうに飲んでくれるからかもしれない。 人口密集地で暮らしていて寂しかったのかもしれない。 彼女に惚れてしまっているからなだけかも知れない。 何はともあれ智之にとって香菜が来るのは歓迎すべき事であった。
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