第2章

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安田 智之と皆月 香菜。 2人の関係性は高校時代ではタダの同級生。 それだけであった。 メールも電話番号も知らない、クラスメイトのうちの1人。 智之は根っからの文系で暇さえあれば小説を読んでいた。 香菜は至って普通の女子高生で毎日ドラマや雑誌の感想を女友達と語り合っていた。 およそ接点のない二人が再開したのは去年の同窓会の帰り道であった。 それぞれが別々に故郷の田舎へ帰り、別々に都心へと戻るはずであったが、田舎から出る数少ない電車内で鉢合わせたのだ。
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