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訓練場でふたりは手合わせをしている。片方は攻撃をし続け、もう片方はそれを受け流し続けている。
「四条綜馬!全くなっていない、左手が遊びすぎている!」
そしてサラが一撃を放つと綜馬は体勢を崩し尻もちをつく、綜馬はサラが仕事の合間の空き時間にこうして稽古をつけてもらっている。
しかし部分憑依の両刃剣の扱いに苦戦を強いられていた、いつもの短剣であればサラには苦戦しないのだが慣れない武器を使うだけでこんなにも差が生まれるのだ。
「いつも右手には短剣を持っているから急に重い物で戦うと慣れないだろう、まぁ慣れだ。もう時間だ、また後でな」
サラが懐中時計を見て時間を確認すると剣を鞘に戻し訓練場を後にするのだった。
「なんでこんなにも重いんだよ、絶対短剣のほうが強い気がするけどなー」
右手に持つ神々しく光る刀身を見ながらため息をつく。
「さてさて、ひたすら素振りだ!コイツを自由に扱えるようにしないと!」
『その程度の剣も自由に使えないとは情けないな綜馬よ』
はじめようとしていた時にルシファーが要らないことを喋る、それを無視できずに綜馬も言い返す。
「つかなんでおまえも短剣じゃないんだよ!短剣だったら困ることなんてなかったのによ!」
その言葉を聞きルシファーはあざ笑うかのように馬鹿に反論する。
『基本的にどんな武器でも一対一は勝って当然なのだ、それなのにお前のは大人数や図体がデカイ奴にはめっぽう弱いではないか、それに比べたら私の武器の方がよっぽど有利だと思うが?』
ルシファーの挑発に見事引っ掛かった綜馬はさらに反論する。
「一対一で勝てて当然?お前俺と契約の時にまけたんじゃねぇかよ!負けた奴が何偉そうにほざいてやがんだよ!」
『私は最低限死なない人間であれば契約しようと思っていたのだ、因みにお前が悪魔憑依しているときは私は地位クラスとやらの吸血鬼を6体相手して無傷だったぞ?一体ですら苦戦しているお前とは実力が違うんだよ』
それを聞いて綜馬は黙り込んだ、その話は前に一度緋花から聞いていたからだ。
「何一人で騒いでいるんだ?まさか私が仕事に戻ってからずっと何もしなかったのか?」
声をかけたのはひと仕事を終えたサラであった。
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