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高校1年のある日、私は友達のサヤと帰ろうとしていた。
「サヤ、帰ろう!」
「あ!ゴメン、今日は彼氏と帰るんだ。本当ゴメン」
「そっか。また、今度ね。バイバイ、サヤ。」
私は、サヤと別れ廊下に出て一人で帰ろうと思っていた。すると、後ろから突然、
「新山美麗!さんだよね?」
「え?」
後ろを振り返ると、そこには男の子がいた。
「そうだけど…?」
私が答えると、男の子は真っ直ぐこっちを見て口を開いた。
「あの、良かったら俺と一緒に帰りませんか…?」
「……いいよ、帰ろっか。」
私は、よく考がえないままそう答えた。
「本当?やった!…ありがとう!」
その男の子は、嬉しそうにこっちに来て私を見る。
…すごく綺麗な顔立ちだな…。そんなことを考えて、私達は学校を出た。しばらく歩いていると私と彼が同じ地元だと気付いた。二人で電車に乗り込む。席に座ると、彼が話しかけてきた。
「俺、月城琥珀っていうんだ。よろしくね。ミレイちゃん」
月城君は、そう言って微笑んだ。…うわ、綺麗…。
「うん、よろしくね。月城君。」
「名前で呼んでよ。君がそう呼んでくれると嬉しいんだけど…。」
彼がそう言うから私は、戸惑いながら呟いた。
「……コハク…。」
「…うわ、どうしよう。今、ドキッとした。」
「ええー。何それ~!」
「本当だし!笑わないでよ~」
そんな風に他愛ないことを言っていたらすぐに家路に着いてしまった。…こんなの初めてかもしれない。こんなにも、コハクの事が知りたいなんて。
そんなに話してもいないのに…。もっと一緒にいたい。そんな風に思う日がくるなんて…。
…それが、私とコハクの初めての出会いだった…。
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