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ツキシロ コハク
翌日、私が学校に着くとサヤが謝ってきた。
「ミレイ、昨日は本当ごめんね。」
「ううん、大丈夫。一人じゃなかったし」
「え!誰かと帰ったの?」
私がそう言うと、サヤは食い付いてきた。…相変わらず、好きだなこういう話。
「うん、まぁ」
「誰?誰と帰ったの?」
「えっと、…コハク…と」
私が、躊躇いがちにそう答えるとサヤは、目を見開いた。
「コハクって、あの月城君のこと?…すごいじゃん!だって、学校のアイドルだよ!」
「そう、なんだ。…知らなかったな。」
私が、そう言った所でチャイムが鳴った。それから、いつもと同じ1日が始まった。
…でも、一つだけいつもと違うことがあった。それは、放課後コハクが突然やって来たこと。
「ミレイちゃん!今日も、一緒に帰りたいんだけど…ダメかな?」
そうやって大きな声で名前を呼ぶからクラスの皆が注目してしまう。……恥ずかしいよ…。
「ミレイ!良かったね!はやく行って来なよー」
サヤに急かされて私は、おずおずとコハクの所へ向かう。
「…ダメだったかな。ごめんね」
「ううん、大丈夫。だから、帰ろう?」
私が、言うとコハクは私の手を引っ張り、歩き出した。
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