第1章

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いつものように二人だけの待ち合わせ場所である、街道沿いの銀行の柱の前まで着いた。 でも、いつもは先に来ていたのに、今日に限っては私の方が早かった。 多分、荷造りに時間が掛かっているんだろう。 することもなく、ただ、街道の往来を静観した。 トラックを数え始めて、34まで数えた時だった。 「待たせてごめん」  声の方を向いてみれば、そこにはいつもの爽やかな笑顔で私を見つめる愛奈の姿があった。 カジュアルなフードつきコートはスタイルのいい愛奈によく似合っている。 そして、その横には大きなスーツケース。
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