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海未はサラダを綺麗な箸さばきで食べる。
日本文化を多く学び、重んじでいるだけの無駄のない綺麗な動作だった。
「サラダもちょうど良い大きさにカットされていてとても食べやすくなっていますね。食べる側への真心がこもっている感じです」
「それ、作ったのはにこではないわよ?」
「そ、そうなのですか?では絵里が…」
「いいえ、それは違うわ。…真心込めてサラダや手作りドレッシングを作ったのはあそこで俯いてる子よ」
そう言って、流し目でその人物を視界に入れアイサインを送る
「………」
俯きながらもちびちびと食を進めている。
その視線に気づいてない…ように振舞っているのが丸わかりである。
顔が赤くなっているのだから。
「真姫ちゃん…もしかして風邪?さっき皆を呼んで帰ってきたときからずっと顔赤かったにゃ…」
「だ、大丈夫よ?熱なんてないんだから」
一部の人間には勘付かれていないのは真姫にとって幸運だったと思った矢先、
「本当にぃ?」と凛は自然な動作で真姫の髪を掻き分け、額に手を添える。
「うーん…熱はないみたいだけどちょっと心配にゃ、何か体調悪くなったりしたらすぐに言ってね?」
お湯を使わず茹でダコを作った凛だった。
「…エェ…アリガトウ、リン」
「じゃあ、このスープは絵里ちゃんが作ったのかな?」
ことりが小椀を両手で包みながら尋ねる
「えぇ、そうよ。…あ、もしかして口に合わなかったかしら…?」
「ううん違うの違うの!美味しいのだけれど、日本じゃあんまり見ないような料理だからなぁって思って、ええっと、ボルシチ……だったっけ?」
「そう、ボルシチよ。」
ボルシチは煮込みスープのようなもので本来は具沢山になるものだが
「チャーハンもあるから真姫と一緒に考えて量や具は少なめにしたけど…味がどうなるのか心配だったのだけれど、安心したわ」
良い評価をもらい、ホッとした表情で絵里も再び食事を進めるのだった。
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