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絵里達は横一列で廊下に並びながら、先ほどの夕飯での出来事を話しながらキッチンへ向かっていた。
「それにしても、相変わらず白米には目がなかったわね、花陽は」
「花陽ちゃんはまぁ仕方ないんやない?うち的には穂乃果ちゃんもそれに引けを取らない食べっぷりやったね」
「あれだけのいい食いっぷりを見ると作った私たちとしては嬉しいものよ」
3人の小さな笑いと足音、食器のカチャカチャと鳴る音が控えめに響く。
「そやね、うちから見ても清々しい感じしたもん」
「まぁそれに比べてってわけじゃないけど、相変わらず照れ屋でチョビチョビ食べていた子もいるわね」
「真姫ちゃんは赤面症だからどうしようもないわよ。まっ、そこがチャームポイントだったりしてね」
にししっ、とにこは笑う。
「ふふっ、そうね。ほんと、楽しいわ。可愛いくて楽しい後輩達と巡り会って…私たちは幸せ者ね」
そう笑ったが「…こんな時間がまだ続けばいいのに」と小声でポツリと漏らす
「え~り~ち~?」
「……ふぇ?な、なに、どうかしたの?」
「そう言っちゃう気持ちもわかるけど、そういうのは考えない方が賢明なんよ?
今は今しか楽しめないんやから」
ちょっとむすっとして言葉をかけたが
「え?…希?もしかして私なんか言ってたかしら?」
自覚せずに言っていたようで、絵里の頭には?マークが生えていた。
「えぇ、言ってたわよ?全く…絵里ってば、怖がりで更には寂しがり屋なわけだったのねぇ~」
「んなぁ…っ??」
にこの指摘にキュッと顔が赤くなって目を丸くして固まる。
「にこっちにこっち」
「…?なによ希?」
にこの耳に手を添えて話す。
「うちから見れば、にこっちも寂しがり屋で素直じゃないけど、そゆとことってもとっても可愛いと思うんよ?」
「んなぁ…っ??」
今度はにこが赤く固まる。
「…この2人ってほんまわかりやすい反応するんやねぇ」
歩きながらしてやったり、とした顔で硬直した2人を置いていき
「「の、希ぃ~!待ちなさ~い!」」
後ろから駆けてくる寂しがり屋たちの足音を聞きながら1人キッチンへ向かうのだった。
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