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「「はぁぁぁぁぁぁぁ~…おいし…」」
と心が満たされたような声が上がる。
1人は手に大きなおにぎりをパクパクと、1人は手にせんべいを持ちバリバリと、幸せそうな表情で舌鼓を打っていた。
「あなた達……ほんとに食に関して際限ないわね……」
「そ、そんなことはないです!食は人にとって必須ですから!……あ、ちゃんと言うと白米は、かな?日本人ならご飯食べなきゃ」
「そ、そうね…」
真姫はその一切の迷いもなく、至福の笑顔で言い切る花陽に返す言葉が出なかった。
米に対する愛は底なしのようだ。
「う~ん!やっぱり遠足にはお菓子だよねぇ、家で食べるのとじゃ味が違う!」
「あ、あのさ穂乃果、あんた食べるのは良いけどさ、あんまりボロボロとこぼさないでよね。掃除する人だっているんだか…」
「ふぇ?」
「って言ってるそばからぁぁ!」
バリッバリッと食べる穂乃果の周りはせんべいの欠片が飛び散っていった。
「ほんっと、いつまでも手間がかかるんだから……全く」
言葉とは裏腹ににこは少しだけ楽しそうに、少しだけ悲しそうに微笑み世話を焼く。
これからもこの時間がずっと続けばいいのに、そう思いながら。
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