激しい嫉妬

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一度部屋に戻ってメイクを直すと、すぐに企業展の会場に向かう。   颯爽と歩く啓太さんの後に続いて、私と滝本君。 滝本君は、さっきからずっと困った顔をしている。 それは、京葉大の件が、どうしても納得できないからだろう。 私だって、納得できない。他の理由があるならともかく、ただ私が「女」であることのみが理由だからだ。   それでも、どうあがいたって私は女だ。 そして、クライアントの体質をそんなに簡単には変えられないことは、経験上痛いほど知っていた。   できるだけ余計なことを考えないようにして、ただ真直ぐ前を見据えて歩く。 滝本君が買ってくれた絆創膏のおかげで、歩くことに支障はない。
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