激しい嫉妬

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「今日こそ、飯に行くか」   今日は啓太さんも捕まることなく、フリーなようだ。   ホテルに帰る前に食べてしまおうと、私達はタクシーに乗り込んだ。   タクシーの運転手に聞いた居酒屋に入ると、その瞬間、苦いビールの匂いとざわめきに囲まれる。 「相澤さん、大丈夫ですか?」   やっぱりほとんど立ちっぱなしだったせいか、足が棒のようになっていて、パンプスを脱いでみると絆創膏から血がにじんでいた。 「うん。このくらい平気よ」   そのとき、入り口に向かってきた酔っぱらいが私にぶつかって、よろけそうになって……。 「危ないな」   片方を滝本君、もう片方を啓太さんに支えられた。 「相澤、帰るか?」 「いえ、せっかくですし、ただの靴擦れですよ?」
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