激しい嫉妬

42/50
前へ
/345ページ
次へ
食事を終えチェックアウトすると、再び企業展の会場に向かう。 すると、ホテルから出てすぐに、再び滝本君に声をかけられた。 「相澤さん、資料、いいですか?」 「えっ?」 「京葉大の」 「あっ、ごめん」 慌ててバッグから取り出して渡すと、滝本君が不思議そうな顔をしている。 「相澤さん、すごく疲れてます? なんか変です」 「そ、そんなことない。ごめん。ボーっとしちゃって」 滝本君に見つめられると、なにもかも見透かされそうで怖い。 ほんのわずかなほころびさえも、見つかってしまいそう。   片付けは想像以上に重労働だった。   啓太さんも滝本君も、掃除など力のいらない仕事をさせてくれる。   こういうことで"だから女は"と言われるのがイヤだったけど、できないことを「できる」と言って迷惑をかける方がよくないと、最近は他で頑張ることにしている。
/345ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3458人が本棚に入れています
本棚に追加