激しい嫉妬

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私のマンションに到着すると、驚いたことに啓太さんも一緒に降りてくる。 「寄ってもいいか?」 「えっ? はい」   驚いた。 こんなこと、初めてだ。   いつも逢瀬を重ねていたのは、万が一を考えて、ホテルが多かったから。 そのホテルですら、部屋に入るまでは別行動なのに。 そうすれば最悪、偶然会ったと言えるからだ。   まして、まだ日が高い。 私の家に入るところを誰かに見られたら、言い訳できない。   辺りを見渡したけど誰もいない。 急いでエレベーターに乗り込んで、「閉」のボタンを押す。   すると、ドアが閉まったと同時に彼に唇を奪われた。 「ダメです。こんなところで」   困るのは、あなたの方なのに。 「ごめん。我慢できなかった」
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