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不倫なんてする前は、そんな関係は絶対にイヤだと思っていたのに、いつのまにかのめりこんでいた。
そんなのバカな女がすることだと、どこかで思っていた。
だから、体ではない部分を求められると、うれしくてたまらない。
「意外だな。ソファが真っ白だ」
「そうですか? 黒だと思ってました?」
「いや、ブラウンかな」
クスクス笑う啓太さんにソファを勧めると、ジャケットを脱いで座った。
「コーヒーでいいですか?」
「あぁ。タバコ、いいか?」
「はい」
タバコが良いも悪いも、啓太さんが吸いたければ私はなんでも受け入れる。
「ごめんなさい、灰皿がなくて」
灰皿の代わりに小皿を差し出すと「悪いな」と言って灰を落とした。
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