2人が本棚に入れています
本棚に追加
昌彦は、麻里子の携帯をよく見ると。
「これは、カードだね?」
一目観た昌彦が、言い当てた。
プリペイドカード仕様の、携帯電話である。
まだ買って、半年も経っていない代物だ。
昌彦が溜息をつきながら、テーブルの上に置いた。
その瞬間、麻里子の脳裏に過去の記憶が蘇ってきていた。
麻里子は日本でも有数の大企業、五代物産の受付をしていた女性だ。
五代物産の経理も規模が大きい為、サイバー攻撃を受けやすかった。
頻繁に個人情報や口座からの引き出しが、相次いでいたのだ。
主に、中国からのサイバー攻撃が凄い。
企業に対するサイバー攻撃防御の為に、外部委託として
三上昌彦が指名された。
経理部に1人所属しパソコンに向き合いながら、
ひたすらマルウェアから社内システムを防御する。
毎日大量のマルウェアが流れつき、それらを次々と消滅させる。
「現在のセキュリティ能力では限界だ、新しいシステムを
開発しなければ!」
焦りを感じる昌彦、大量のウイルスが今のシステム自体の
突破は時間の問題だろう。
昌彦のベンチャー企業、オンロックでは残りの従業員により
開発が進められていたが、完成には程遠い。
最初のコメントを投稿しよう!