第1章    横浜湾岸

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早朝から深夜までの、マルウェアとの格闘劇。 毎日の格闘に昌彦の披露も、ピークに達していた。 そんなある日、いつもの様にパソコンに向かいタイピングを していると、傍に麻里子がやって来た。 少し驚いた昌彦が振り向くと、麻里子がトレイを持ち、 その上には紙コップコーヒーが載せられていた。 「お疲れ様、毎日深夜までご苦労様です」 「有難うございます」 昌彦が麻里子に逢ったのは、この時が初めてだった。 麻里子は白のブラウスに黒のタイトスカートの服装だ。 しなやかに、紙コップコーヒーをパソコンの横に置いた。 張り詰めた緊張が、解れた感じだ。 時計を見ると、午後9時を過ぎている。 「まだ、帰宅はいいんですか?」 昌彦が訊くと、麻里子がニッコリと笑い。 「良かったら、連絡を下さい」 そう言うと、紙切れを差出した。 紙には、電話番号が書いてある。 思わず、麻里子の顔を覗き込む。 「これは、なんですか?」 呟く様に問う、昌彦。 「…………貴方が、好き」 麻里子の突然過ぎる告白に、戸惑う昌彦。 誰が観ても麻里子は美人だと思う、それはスタイルだけでは無い。 切れ長の瞳に高い鼻、一見ハーフのように見える。
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