ハルヨビ

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「あぁ。ハルヨビが出てくるね」 今日は、にわの木からときどきパサパサッっと 雪が落ちるおとがして やねからピチョンピチョンと水が落ちていた。 ぼくと、おばあちゃんは ならんで えんがわにすわっていて、 おばあちゃんが、にわを見ながらそう言ったんだ。 「ハルヨビ?」 ぼくは知らないことばをきいて、おばあちゃんにききかえした。 「そう。ハルヨビだよ。ほんとうのなまえはちがうんだけれどね、おばあちゃんはそう よんでいるんだよ」 そう言って、おばあちゃんはまぶしそうに目をほそくした。 おばあちゃんと、ぼくが見つめるにわは白い雪が、まだたくさんのこっていて そこにお日さまが当たってキラキラ キラキラしていているから、とてもまぶしいんだ。
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