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俺が遥子と出会ったのはたまたまだった
吸血鬼である俺が人の血を求め人の里におりた帰り、人に刃向かわれ怪我を負い木に背中を預け休んでいた時
「あの…大丈夫ですか?」
こんな俺に声を掛けるなんて誰だと顔をあげればそこに立っていたのは細いひ弱そうな女
『あ?俺になんかようか?』
今は血を飲む気にもならなかった俺は追い払うため女を睨む
「怪我してますよ」
『は?』
ただの人間の女が逃げないのは初めてだった。その女の瞳には怯えの色がなかった
遥子と名乗ったその女はテキパキと俺の手当てをしてまた来るから、そう言って帰っていった
その後もたまにだが会って他愛もない話をするようになった
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