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僕は引越しの荷物の山を整理するのを後回しにして、真青藍斗のランニングに付き合うことにした。
走り始めてからどれくらいの時間が経ったのだろうか。僕の息は乱れ、久しぶりの運動に足がついていかない。
ショートカットの彼女の髪が、短髪が、美しく揺れているのが斜め前方に見える。
「ハッハッハ。白々中公くん。シラキミくん。もう疲れたのか?」
「僕の名前を卵風に呼ばないでくださいよ。
大体おかしいんですよ、先輩。これだけの距離を軽々と走っているあなたの体は。」
「ん?先輩と呼んだか?ということは、シロキミくんは1年生なのか。ふーん…
それでは後輩くん、キミに問題だ!」
唐突に振り返り、問うてきた。
「僕とキミには現在、2mほどの距離の差があるだろう?」
「はい。そうですけど?」
「では、2m後ろのキミが2m先の僕に追いつくことはできるでしょうか?」
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