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――最悪だ。
入社六年目にして、仕事で初めて大きな失敗をした。あたしが任された企画の中にミスがあり、プロジェクトが中止になるかもしれない、とも言われた。
「これから巻き戻せるか厳しいよ」。上司に言われた言葉が頭をよぎる。会社を背負った一大プロジェクトなのに。
誰のせいでもない。
自分のせいで失敗して、上司にも同僚にも会社にも、全員に迷惑を掛けた。上司から呼び出され、散々怒られた。――当たり前だ。
当たり前だけど。
誰も、励ましの言葉一つ掛けてくれなかった。
それが世の中なのかな、とため息を吐く。世の中そんなに甘くないよ、と、もう一人の自分が頭の中で笑いながら言う。
――分かってるよ。
何であんな失敗をしたのだろうか。……ぼうっとしているからだ、と上司は言った。確かにそうかもしれない。
決して嫌いな仕事ではないし、自分が好きで選んだ仕事だ。やりがいもあるし、毎日充実していると思う。
それでもここ最近、なぜか上の空な状態が続いていた。
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