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とある田舎の漁師町に住んでいる、青野良太20歳と吉野佳代20歳は恋人同士だった。
漁師の家に生まれた良太は後をついで漁師をしていた。
お互いに愛し合う二人は結婚の約束を交わしていた。
「おい、佳代今夜、俺ん家に泊まれよ」
「うん、良ちゃんがイイなら、私もいいよ。じゃあ、泊まりに行くから。待っていてね」と顔を赤らめて答える。
良太にとって何の刺激もないこの町で唯一の楽しみは佳代を抱く事だけだった。
その夜、良太は佳代の柔らかい豊満な身体を抱きながら
「佳代、俺さあ、都会に出て働いてみたいんだ。ちょっとだけ行ってくるから待っていてくれるか」と言う。
佳代は悲しい顔をしながら
「良ちゃん、私も連れて行って」
「いや、だめだよ。俺一人で行きたいんだ。一年だから待っていてくれよ。なあ佳代」と言う。
佳代は悲しそうな顔をしながら目をそらし黙っている。
その後良太は両親を説き伏せ都会へと出稼ぎと言う名目で1年だけ自由にさせてもらう約束を取り付けた。
良太は夕方の列車で行く事にした。
駅のホームには誰もいないはずだった。
まわりは暗くなっておりポツンと街灯がついていた。
その街灯の下に黒髪を肩まで垂らした佳代が立っていた。
手にはバッグが握られている。
良太は、佳代に走り寄ると
「佳代だめだ、帰れよ。俺は一人で行きたいんだ」と言うが佳代は言う事を聞かない
「いやよ。私も一緒に行くの。良ちゃんと離れるなんていやよ。だって良ちゃんきっと浮気しちゃうから、私がいないとだめなの」と良太に付いて来ようとする。
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