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「確かめなくていいの?」
「...!?」
まるで翔介を嘲笑うように見つめる由香里は刀を閉まった。
「っ...!!」
確かめずにはいられなかった、そう思い急いで美奈子の家に向かった。
____
「はあ...はあ...」
辺りはすっかり暗くなっていて、家の敷地を少し出た道路に彼女が立っていた。
「...翔介君?」
するとこちらに気付いた美奈子が暗い声で第一声を発した。
「美奈子...」
「どうしたの、何で私の家の近くなんかに...」
翔介はそのまま話を切り出した。
「何だよ、この写真」
「...!?」
由香里から貰った写真を提示すると、彼女は驚きを隠せていない反応を示した。
「...何で、翔介君がこの写真を?」
「そんな事はどうでもいい、美奈子、お前は...」
そこまで言うと彼女は察したのか、最初に自分の口から真実を晒した。
「うん、陽性反応だったよ」____
______
その後、翔介は美奈子の家でお茶を頂くことにした。
「どうぞ」
「...」
向かい合って席に座り、数分ほど沈黙が流れた。
「...どうして黙ってたんだよ」
「だって、妊娠なんて翔介君が絶対望まないから...」
「そんな話じゃないだろ、どうして俺を頼らなかった!?」
勝手に一人で解決しようよした彼女につい怒りを露にしてしまう。
「俺が責任取るって言ったろ」
「そう、だけど...」
「それに医療の知識だってある、いざとなれば役に立つはずだ」
そこまで言うと美奈子は心の心境を話した。
「何で、何でそんなに自信があるの!?翔介君だってただの高校生だよね!?」
「そ、そうだけど...」
「医療の知識があるのに、私の体の変化にも気付けなかったの?」
「っ...」
完全に言い返せなくなった。
「ほら、妊娠したこと言ったら翔介君困るでしょ?だから嫌だったの、自分の嫌なところが全部出てしまうから!!」
「お、落ち着け!!」
取り敢えず情緒が安定していない彼女を抱きしめて落ち着かせた。
「俺が悪かった、だから今後は二人で子供のことを考えよう」
「...うん、私もごめん」
彼女も段々心が落ち着いて精神が安定し始めた。
「そうだ、高校卒業したら結婚しよう」
「うん、そうだね」
「それで、どこか海が近いところに家を建てて、そこで暮らさないか?」
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