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×月××日__
「おはよう」
「おはよう」
生徒達が朝の挨拶を交し合い、規律正しく下駄箱で靴とスリッパを履き変える。
ガラ__
「ん?」
美奈子が下駄箱を開けた時、何やら封筒のような物が入っていた。
「っ...!?」
中を見ると、そこには脅迫文と思われる内容の手紙と翔介が持っていたドラッグストアに居る美奈子の写真があった。
「今すぐ体育館裏に来い、でないと私が妊娠していることをクラスに晒すって...」
一体誰が、翔介君と同じ写真を持っているってことは翔介君に聞いたら誰だか分かるのかな?
しかし手紙の最後には誰にもこの手紙の所在は伝えるなと書かれている。
「...」
妊娠した事が噂になれば翔介君の退学は避けられないだろう、それだけは絶対に嫌だ。
一人で行くしかないだろう...
美奈子は誰からの目線にも入らないように体育館裏に向かった。
____
薄暗い物陰に、確かに一人だけ佇んでいる人が居た。
「...!?」
「あら、意外と早かったね」
「な、何で、だってあなたはもう...!!」
『死んでいるはずだ』そう言いたかった。
「何よ、クラスメイトが久しぶりに登校してきただけじゃないの」
それは至って簡単な解答だった、昨日谷を捜索した時にあるはずの人間の遺体が無かったこと。
つまり、当人は生きていて今の今まで身を潜めていたということ。
「...七星さん」
あの高さから落下して生きていたなんて、普通じゃありえないことだ。
それに急所を逃れたとしても体の損傷は大きいだろう。
つまり、彼女には協力者が居る。
「クラスに戻るのは自由だけど、あなたの居場所はないはずよ?」
「あら、そんなのどうだって良いわ、私には翔介君が居れば良いもの」
「...翔介君は、私と付き合ってます!」
美奈子は打ち明けた、自分と翔介はもう既に関係を持っていることを。
「...あの写真、どうやら本当みたいね」
「...?」
「私の協力者からあなた達の事は聞いていた、どうやら全て真実見たいね」
その協力者が誰なのかも気になったが、それよりも先に翔介君について決着を着けようとした。
「お願いします、翔介君を私にください!!」
「...」
場の空気が完全に沈黙と化した。
「八重洲さん」
「は、はい...」
すると彼女は笑顔だった、その笑顔を見ると交際を許してもらえたかのように思えて安堵した。
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