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「あ...安藤由香里...」 「もうあなたの出番は終わった、安らかに眠れ」 「何で...あんたが...」 佐里を発砲したの安藤由香里だった。 「無様ね、これがあなたの物語の結末よ」 「...いいや、まだ終わってない」 「...?」 「拳銃を貸して欲しい」 翔介の言う通りに由香里が拳銃を手渡すと、自分のこめかみに銃口を向けた。 「これで終わりだ」 「...良いの、私を殺さなくて?」 「...今お前を殺したって、何の意味も見出せないだろう」 もう生きることに疲れたのかもしれない、でなければこんな最悪な結末など望まなかっただろう。 「人間死ぬ事より、生きる事の方がよっぽど苦なんだな...」 「...ええ、私もそう思った時が何度もあるわ」 すると由香里は最後に自分のことについて語りだした。 「私の本名は前橋由香里だよ」 「これから死ぬ相手に自己紹介かよ」 そして翔介は引き金を引こうとした。 「本当、人生には参るよ...」____ ______
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