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椎倉高校銃乱射事件から一ヶ月___『警視庁』 「捜査一課の重見です、御用とは何でございましょうか?」 「まあそう固くなるな、そっちの新任課長の配属が決まったことについてだ」 「え、ああ、そうでございましたか」 数ヶ月前に捜査一課の課長だった原田課長は殉職して、今日まで課長の席は開いていたのだ。 「随分後任を見つけるのが遅かったようですが?」 「まあ何だ、色々と事情があって遅れたが、中々のキャリアを持った逸材が入ることになった」 「誰なのですか?」 「リチャード・ハリソン、元FBIの刑事だ」 「FBIですか...」 中々のビッグネームが出たために驚きが隠せなかった。 「それと、日本警察に協力することを志願してきたアメリカの科捜研の者も日本に来ることになった」 「どうしたんですか急に、いくら原田課長の後継を探すと言っても力を入れすぎな気がしますが...」 「守川高校で起こった事件をニュースで見た二人が、何でも解決に動きたいらしい」 「解決って、あの事件の犯人は既に捕まっているはずですが?」 「それがどうにも、裏があるって聞かなくてな」 確かにあの事件には複数の矛盾が生じていた。 一つ目が殺人サイトを利用した犯人の資金力。 二つ目が犯人のアジトと思われた場所は何処にも無かったということ。 そして三つ目は被害にあったクラスの生徒である前橋由香里の遺体が見つからなかったことである。 「これを見てくれ」 「...!!これは...」 そこには間違いなく前橋由香里の姿が載っている写真があった。 「椎倉高校で目撃情報が出ている、そして彼女が在籍していたB組のクラスは先日銃乱射事件でクラス全員が射殺された」 「...!?」 それは嫌な意味で、何かと何かが少しばかり繋がりを見せ始めた。 「そんな、なら彼女は生きていたというのですか?」 「そう言うことになる、そして柊一弥...いや、沢谷一弥が在籍していたとされる浅間高校でも同様に斬殺されてクラス全員が死んでいる」 「繋がっている...」 「クラス全員が謎の死を遂げる事件は20年以上前から実例がある、これらの事件が本当に繋がっているのなら、誰かが手引きをしているのは明らかだ」 この事件には黒幕がいる、だが目的が分からない。 金持ちの悪趣味な娯楽の為か それとも頭のネジが吹き飛んだイカれた宗教団体の仕業か...
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