-01-

3/34
前へ
/115ページ
次へ
「ねえ、今日転校生来るらしいよ?」 「え、マジで?」 「しかも女子だってよ」 「マジかよ、可愛かったらいいな!」 その教室は新たに転校生が来るという噂で持ち切りだった。 「そう言えば、転校生が来るって言ってたな...」 ここのクラスに来るわけではないのに、豪い盛り上がり様だ。 「はい静かに、えー今日からうちのクラスに新しい生徒が入ります」 「うお、俺達のクラスかよ!」 クラスの盛り上がりは最高潮、特に男子は淡い期待を寄せていた。 「それでは、入って来て」 先生の合図とともに、女子生徒が入って来た。 「初めまして、安藤由香里です」 彼女の入場と同時に、クラスの男子からは声が飛び交う。 「い、意外に可愛いかも...」 「何か、落ち着いてるな...」 彼女の独特な雰囲気に男子達はすっかりとはまっていた。 「それでは、後ろの開いてる席へどうぞ」 由香里は指定された席へ座る。 「...!?」 「...何か私の顔に付いてる?」 「い、いや...何でもない...」 由香里は隣に居た男子に見られるが、彼はすぐに視線を外した。 「土田君だよね?」 「え、何で名前知ってるの?」 「昨日クラスの人の名前は覚えたの、席隣だね、よろしく」 「お、おう...」 そんな彼の戸惑いを疑問に思いつつも、由香里は周りのクラスメイトに挨拶をするのだった。 ____ このゲームを制するには、まずは三年B組の人間関係を確認する必要がある。 キングはあの人だとすると、最初はその周りの人物を知る必要がありそうだ。 「しかし、私では少し手に余りそうだ...」 柊一弥は本当に天才だったのかもしれない、誰とでもコミュニケーションを取ろうとすることがこれほどまでに難しいとは... 今日の授業も終わったので、由香里は教室を退室する。 「...安藤由香里」 「...あなたは」 由香里のクラスメイトである黒澤光喜が突然として口を開いた。 「黒澤君、どうかしたの?」 「...見える、お前の裏側の悪魔が」 その時由香里は、一瞬彼の発言に心拍数が上がった。 「何言ってるのかな?」 急いで態勢を整えて、彼の発言を否定する。 「さあ、一体誰を生贄にする?」 「...!!」 嘘、もしかしてこの人... 何か知ってるのか...!?
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加