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「ねえ、今日転校生来るらしいよ?」
「え、マジで?」
「しかも女子だってよ」
「マジかよ、可愛かったらいいな!」
その教室は新たに転校生が来るという噂で持ち切りだった。
「そう言えば、転校生が来るって言ってたな...」
ここのクラスに来るわけではないのに、豪い盛り上がり様だ。
「はい静かに、えー今日からうちのクラスに新しい生徒が入ります」
「うお、俺達のクラスかよ!」
クラスの盛り上がりは最高潮、特に男子は淡い期待を寄せていた。
「それでは、入って来て」
先生の合図とともに、女子生徒が入って来た。
「初めまして、安藤由香里です」
彼女の入場と同時に、クラスの男子からは声が飛び交う。
「い、意外に可愛いかも...」
「何か、落ち着いてるな...」
彼女の独特な雰囲気に男子達はすっかりとはまっていた。
「それでは、後ろの開いてる席へどうぞ」
由香里は指定された席へ座る。
「...!?」
「...何か私の顔に付いてる?」
「い、いや...何でもない...」
由香里は隣に居た男子に見られるが、彼はすぐに視線を外した。
「土田君だよね?」
「え、何で名前知ってるの?」
「昨日クラスの人の名前は覚えたの、席隣だね、よろしく」
「お、おう...」
そんな彼の戸惑いを疑問に思いつつも、由香里は周りのクラスメイトに挨拶をするのだった。
____
このゲームを制するには、まずは三年B組の人間関係を確認する必要がある。
キングはあの人だとすると、最初はその周りの人物を知る必要がありそうだ。
「しかし、私では少し手に余りそうだ...」
柊一弥は本当に天才だったのかもしれない、誰とでもコミュニケーションを取ろうとすることがこれほどまでに難しいとは...
今日の授業も終わったので、由香里は教室を退室する。
「...安藤由香里」
「...あなたは」
由香里のクラスメイトである黒澤光喜が突然として口を開いた。
「黒澤君、どうかしたの?」
「...見える、お前の裏側の悪魔が」
その時由香里は、一瞬彼の発言に心拍数が上がった。
「何言ってるのかな?」
急いで態勢を整えて、彼の発言を否定する。
「さあ、一体誰を生贄にする?」
「...!!」
嘘、もしかしてこの人...
何か知ってるのか...!?
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