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「うん♪」
二人は学校の校門に向かって歩き出した。
「あ、翔介君...」
「ん?」
「また髪にゴミが付いてるよ」
翔介は佐里に付いたゴミを取ってもらう。
「またかよ、昨日も付いてたのに...」
何だろう、誰かゴミを付けてくる奴でもいるのか?
「えへへ、何でだろうね~」
「まあ良いか、帰ろうぜ」
翔介と佐里は学校から足を外した。
____
「ただいま...」
佐里は家に着いた途端に真っ先に自分の部屋に行った。
「ただいま、翔介君♪」
彼女の部屋には、おびただしい量の翔介の写真が貼られてあり、さらには日付ごとに採取した彼の髪の毛が壁に張られていた。
「今日は♪ちょっと髪の毛が伸びたのかな?♪」
蔓延の笑顔で彼女は髪の長さを測っていた。
「上条翔介、身長177cm、体重58kg、座高88cm、BMI18.51、趣味はパソコンとゲーム...」
ああ愛おしい、何て美しい存在なんだ...!!
『ああああ、私のモノにしてあげたい♪』
彼女は狂った様に欲求を言い放つ。
まるで狂気的に彼を慈愛していた。
「...翔介君の気を引いた人は誰だったかな?」
クラスメイトの顔写真が置いてある机の中から、あの時翔介の気を引いていた二人を取り出す。
そのまま藁人形に貼り付けて、釘と金槌を持つ。
「宮間真琴...西森安奈...」
私の...私の翔介君の気を引いた罪人...
許さない...翔介君は私だけのモノなんだから♪
「二人共...悪魔に誓って...」
『『処す』』
ダン____!!ダンダン___ダンダンダン__!!
「あはははは!!私達の関係を邪魔する奴なんて死んでしまえ!!」
藁人形に釘を何十本も打ち込んで、ようやく佐里は気が落ち着いた。
「あ...ははは...!!消えろ...消えてしまえ...」
彼女の本心を知る者は、まだ誰も居ない___
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