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悲劇を見据えた 地獄を見据えた 全ての悪夢が、0.1秒の速さで脳に伝達した 「「...ここは地獄だ」」 全てが壊された世界、全てが失った世界 どちらとも言えるその世界は、自分という化け物を縛るだけの偽物の世界に違いなかった。 「「良い判断だった」」 「「壊すだけのあなたが、何言ってるのよ...」」 たくさん死んだ、友達だったはずの存在も、好きだった人も あの物語を続けていたところで、もう何も生まれなかった。 だから望んだ、全てを破壊する事を。 「「これもあなたの世界なの?」」 「「だとしたら、さぞかし素晴らしいセンスだ」」 「「...?ならここは何処なの?」」 何も分からなかった、ここが何処で、自分は何の為にここに居るのかさえも。 「「じゃあ、ここが本当に地獄...?」」 「「そんな架空上の物信じるの?」」 確かに、天国や地獄というものは人間が死への恐怖から創った夢物語に過ぎない。 「「それに、何で私拘束されてるの?」」 「「確かに、表側の貴様だけが」」 チェーンで四股を固定され、先程から身動きが取れない。 「「なあ主よ、故意ではないかもしれないが、それは少々下品な格好にも思えるぞ...」」 「「し、仕方ないでしょ、それより壊してよ!破壊はあなたの専門のはずよ」」 「「うむ、なら一度心体を統一させる...」」 裏側の彼女が体に入り込み、体を動かしチェーンを破壊する。 「「こ、壊れた...」」 何て破壊力だ... 「「どう?凄いでしょ」」 「「と言うか、何であなたが私の体から離脱していたの?」」 「「うむ...よく分からないのだが、私自身も気が付けば離れた状態にあったことは違いない」」 取り敢えず、必ずしも言えることは一つ ここは現世ではない。 「「世界という概念から逸脱した世界...そんなところかしら」」 「「な、何よそれ...貴様の言ってることは難しい...」」 身体能力が優れていても、脳無しか... 「「要するに、ここはもう私が居た世界とは程遠い空間に居る様なもの、でないと心理的なあなたの存在が具現化したのは物理的にありえなくて...」」 「「ああもういいわ!!半分以上何言ってるか分からない!!」」 何て短気な人格だ...
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