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「「...?」」
崩壊した世界にぽつりと、真新しい本が落ちてあった。
「「これは...」」
何でこんなところに本が...?
もしかして、ここが何処だか載っているのかな?
「「見てみよう」」
本を取り、ページを捲る。
___
キング:前橋由香里
プレイヤー:柊一弥
___
「「...!?」」
そうか、私は...
前橋由香里だったのか。
「「っ...」」
忘れていた自分の名前を思い出すと、あの記憶が再びリフレインした。
「「...続けよう」」
由香里はさらにページを捲った。
____
『学級崩壊ゲーム ルール』
1.このゲームにはプレイヤーとキングが存在すること、プレイヤーは一定の勝利条件をクリアしないと負けとなる。
2.さらにプレイヤーはクラスを学級崩壊の状態にさせなければならない。
3.学級崩壊の為ならクラスメイトを殺害していいものとする。
4.プレイヤーは転入してから2ヶ月以内に勝利条件をクリアしないと敗北となる。
5.敗北したキングは、次の学級崩壊ゲームのプレイヤーとなる。
____
「「敗北した...キング...?」」
確か背後から襲われた時に見た物だ。
「「学級崩壊ゲーム...」」
キングやプレイヤー、学級崩壊ゲーム、聞いただけでは由香里も判断できなかった。
「「...次に進むか」」
由香里はもう一枚紙を捲った。
_______!!
「「な...!?」」
三ページ目を捲ると、本の中から黒い靄が勢いよく外に出る。
「「な、何よこれ!?」」
黒い靄は由香里の体を吸収する様に消していく。
「「あ...ああ...」」
由香里は跡形も残されず、靄に吸収させられた。
「「う...」」
そこは機械的な構造で造られた建物の内部だった。
「「もう...何なのよこれ...」」
次から次へと流れる光景に、前頭葉も思考を停止しかけているみたいだった。
「「ここは地獄だ」」
「「...?」」
建物の中心には人影が僅かながらに見えるが、黒い靄がかかっていて顔までは識別できなかった。
「「誰なの、あなた?」」
「「...私はこの世界そのもの」」
理外に満ちたその発言は、由香里には到底理解できないものだった。
「「そもそも、ここは何処?本当に地獄なの?」」
「「ここは、悲劇の終着点...貴様が望んだ世界だ...」」
誰なんだ、この胡散臭い人は...
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