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「はあ...はあ...」
殴られ続けられた多村はまるで人形のように息もせず動く素振りも見えなかった。
「し...死んでる...」
「はは...お前が悪いんだ...俺の由香里に手を出したりするから...」
すると何処からか、パトカーのサイレントが鳴り響いた。
「まずい...!!」
「おい、お前!!」
すぐに警察の気配を察した種埼は逃げ出して逃亡を謀った。
「動くな!!」
「っ...!!」
すぐさま警察に挟み撃ちにされて取り押さえられてしまう。
「離せ...!!くそが...!!」
警察は彼の身動きを止める為に手元に手錠をかける。
「土田鎮、傷害殺人罪で署に連行する」
「やめろ...!!」
そのまま警察に引っ張り出されて、校門に止まっているパトカーまで誘導された。
「...何だか人が集まってる、何だろう...?」
美奈子は生徒達が同じ方向を向いて何やら小声で話し合っている現場に興味本意で向かった。
「...!?」
そこには血塗れのまま警察に取り押さえられている土田の姿があった。
「一体何が...」
そして顔に白の布を被せられて、荷台に乗せられている多村の姿があった。
「あの容姿、まさか多村君...!?」
その時美奈子の推測は全て結びついた。
土田鎮は多村迅を殺害した、降り注ぎ始めた雨の中でその現実だけが残酷にも雨と共に大地を潤した。
このクラスが、崩壊の末路に辿り着く事も長くはない___
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「それで、お前達の連れが迅を殺したって聞いたけど?」
翌日、クラスは取り残された土田派と多村迅を殺害された多村派によって完全衝突した。
「お、俺達は本当に何も知らない...あいつが勝手にやったことなんだ...」
「そんな事どうだっていいんだよ、問題はお前達が人殺しの仲間だってことだろ?」
土田の傷害致死事件は世論の考えでは完全に土田が悪者に仕立て上げられていた。
元々土田の存在を毛嫌いしていた人はクラスでも少なくない、土田が犯罪を犯した時には『やはりあいつはそっち側の人間だった』と判断したまでだ。
そして土田に関与していた土田派の人も風評被害を受けて、土田派はクラスメイトから敵視されていた。
「本当よく学校に来たよな、人殺しの仲間のくせに」
「だから俺達は土田と関わっていただけで、犯罪とかはしてない...」
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