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このクラスは何かおかしい、そう察しているのはB組では美奈子ぐらいだった。
「ん...?」
ふと種埼の方を覗くと、何やら由香里が封筒のようなものを彼に渡していた。
「何、あれ...?」
何やら嫌な予感がする、このクラスで一体何が起こってるの...?
「種埼君、ご苦労様」
「...これで良いんだな?」
提示した写真も、全て彼女の物だった。
全ては彼女の手で予定通りに動いていた。
「おい奴隷、俺の椅子になれ」
「...はい」
それから伊勢崎、田上、小渕はクラスのイジメの標的となってしまい、B組の生徒は三人を迫害することしか彼らの価値観など考えていなかった。
必ずしも、誰かの仕業で
B組の生徒の心に住み着いてた悪魔が、暴走し始めた___
____
『GAME OVER』
テレビ画面には血色でその言葉が表示されていた。
「...またか」
このゲームは相変わらずの難易度だ、そこそこ名の通ったゲーマーでもクリアは難しいだろう。
「っ...」
男は部屋のベッドに寝転がり新聞に手を掛けた。
コンコン___
「...」
部屋から呼び出しのノックがされるが男は無視をした。
コンコンコンコン____
「...うるさいな」
不在が効かない様なので仕方なくドアを開けて顔を見せる。
「あ、あの...」
「...何だ、お前か」
そこには八重洲美奈子が居た、相変わらず表情が曇っている。
「上条君、元気そうで何よりだよ...」
「どうしてここが分かった?」
「多分何処かの宿泊場所で身を隠してると思って、近いところから上条翔介でチェックインしている人を探してたの、そしたら偶然隣町のこのホテルで発見したの」
「...」
そこまで聞くと、彼女を心配させていた自分に罪悪感が芽生えた。
しかしそれとこれとは話が別だ、彼女の為にも翔介自身が関わるべきではないことは十分に分かっていた。
「帰ってくれ...」
「お願い上条君、私の話を聞いて!!」
「もう放っておいてくれよ!!」
「っ...!?」
すると彼女は蹲り、顔色が変わっていた。
「お、おいお前...」
「わ、私のことはいいから...話を聞いて...」
美奈子は体調が悪そうだったので、仕方なく彼女の頼みを承諾する形にした。
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