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「...八重洲」
「でも、でも...地味な私じゃ上条君とはつりあわなかった、だから...上条君が私をベッドに押し倒した時、単純に嬉しかったの...」
「...そんなの言い訳にならねえよ!!どんな理由があっても俺は八重洲に酷い事をした事実は変わらない...!!」
彼女のサポートすらも無にして、翔介は自らの罪を無かったことにはしなかった。
「ねえ、あの時どうして私を襲ったりしたの?」
「…分からない、あの時に居た安藤が何かしらの薬を俺の体内に注入したことは違いないが」
もしかして、あの薬が原因なのか?
「安藤さんの仕業なの?」
「恐らく、動機は分からないが...」
「私安藤さんが種埼君に封筒みたいなの渡してるところ見たよ!!何か怪しいよ!!」
「種埼が何かしたのか?」
「土田君のグループの犯罪行為を行っていた証拠の写真を公にした、その後安藤さんが種埼君に何か渡していたの」
まるで由香里が全て指揮を取っていたかのように、事を運ばれた気分だった。
「安藤由香里の目的は何だ...」
学級崩壊、彼女の目的は何だと問われたらそう推測するしかなかった。
「お願い、都合が良い話だってことは分かってるよ、でも、このままクラスが崩壊するのは嫌なんだ...」
「だが、俺には発言力なんてない...」
翔介が人望溢れていた時にはクラス全員も聞く耳を持っていただろうが、由香里の策略によって地に落とされた彼では誰にも相手してくれないだろう。
「分かった、クラスに復帰できれば良いのね?」
「え、ちょ、何...?」
翔介は美奈子に耳打ちをされて、事の作戦を全て話した。
「...お前、何言ってるか分かってるのか!?」
「でもそれしか手はない、やるしかないのよ」
「でも、それじゃあ七星に示しがつかない...」
彼女の提案は消息を絶った七星佐里を冒涜するような作戦だった。
「上条君って、未だに七星さんに思いがあるの?」
「い、いや...そう言うわけじゃないけど...」
「だったら、もう七星さんの事は考えなくていいんじゃないかな?」
「...」
本当にこれで良いのか、悩ましい決断に判断が鈍ってしまう。
「それに、あんなことまでやられたんだからこれぐらいの責任は取ってよね」
「お、おう...」
火照った顔色を隠すように顔を手で覆う彼女に胸を撃たれてしまう。
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