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赤と赤の信号がそれぞれ点滅して警告を知らせている踏み切りに道を阻まれてしまった。
「さて、これからどうしようかな...」
後何時間かは外に出られる、今のうちに母親の顔でも拝んでおこうか。
「よし、家に帰るか!」
___「「...カエラセテアゲル」」
次の瞬間、背後から酷く歪んだ声が聞こえた。
____!!
「えっ...?」
踏み切りを通り過ぎようよしていた電車の前に土田は身を投げ出した。
「さよなら、土田君」
「由香里...?」
電車が自らの体をグシャグシャに潰す直前に走馬灯を見据えた。
自分がしてきた罪、暴行、思えば碌な人生ではなかった。
ああ...俺...もっとまともに生きれば良かったな...
グシャ____グシュギギギギ___グチャ___
四肢が切断され、路線には夥しい血の量が滲んで赤色に染めていた。
「あーあ、制服汚れちゃった...」
土田の返り血ですっかり赤色に染まった制服は通行人が通れば即刻怪しまれる服装だった。
そこへ一台の外車が由香里の目の前に止まった。
「安藤由香里様、お迎えに参りました」
「時間ピッタリね、センドウショウ」
土田の遺体の一部を持って車に乗り込むとすぐに携帯を取り出した。
「送信...」
用を済ますと横に置かれていた日本刀に由香里は目を付けた。
「日本刀、しっかりと用意してくれてたんだね」
「はい、現代科学の元改良に改良を重ねてつくり上げた最強の刀、刃の部分が微弱な振動を起こすことで斬れ味は段違いに上がっています」
由香里が刀を用意した理由は、最終手段に打って出ようとしていたからだ。
「それじゃあ、標的の追跡をよろしく頼むわ」
「承知しました」
____
__♪
種埼の携帯から非通知でメールが送られた。
「...!?」
____
件名:なし
今日の放課後、学校近くの中央通りを三番目の左に曲がった道に来てください。
私はあなたが裏切り者だということを知っています、せっかく一丸岩になったのに自分だけが孤立するのは嫌ですよね?
この情報をいつでもクラスメイトに広げれます、証拠もあります。
さあ、どう出るかはあなた次第です。
END
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