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少年は昨夜の情事を蔑むように、シーツを洗濯機に放り込んだ。
別段機嫌が悪いわけではない。
交われば道端の死にも悲しみが増してしまうことを知っていながら、生き方を変えられない。
そんな自分に少しだけ、洗濯のように単純な漂白を欲しただけだ。
都会にありがちな単身者用のワンルーム。少年の洗濯の様子は、ベッドに腰掛ける少女からもよく見えた。
借り物のTシャツを着てぼんやりと座る少女は、少年の行動に気分を害した様子もなく細い指でタバコを取りだした。
少女といっても、その身体は十分に女性である。
「灰皿、ないの?」
少年は洗剤を入れる手を止め、顎でテーブルを示した。
小さなガラステーブルには、昨夜少年が飲んでいた缶コーヒーが置いてある。
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