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「今の話しを聞く限りでは君たちは彼と知り合ってからはまだ日が浅い…ということなのかな?」
不意にドアの方で声がした。
「どなたですか?」
芽里亜さんはキッと声の主を睨む。
「すみません。ドアが開いていたもので。僕は刑事の奏多 ( かなた ) と言います」
「刑事さんが悠輝になんのお話しですか?」
芽里亜さんは尚もトゲトゲしい口調で続ける。「殺人事件なら彼も被害者の筈です!」
「殺人事件?!」
俺は驚いて奏多さんの顔を見上げる。奏多さんは胸ポケットから警察手帳を出してこちらに見せた。
「斎藤 悠輝さん。君の部屋のバスタブに女性の遺体があったんです。その部屋で君は強く殴られていた。教えてもらえませんか? 君は、いったいどこまで憶えているんですか?」
奏多さんは冷静な目で俺を見つめた。
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