ーー 被害者から容疑者に ーー

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ーー 被害者から容疑者に ーー

「君、記憶喪失は本当なんですか?」 「ちょっと刑事さん、悠輝が嘘を言っているって思ってるんですか?!」 「先輩は嘘つく人じゃありません!!」 ふたりは奏多さんにくってかかった。 「君たちは彼とはどういう関係なんですか?」 ふたりの剣幕に、奏多さんは押され気味のように見える。 「わたしは彼の恋人です!」 「わたしはこの人の後輩です!」 ふたりは揃って捲したてる。 「悠輝は嘘つく人じゃありません!」 「先輩は嘘つく人じゃありません!」 「どうやら彼は君たちのことを全く憶えてはいないようだ。…と言うことは、君たちとの付き合いはまだ半年以内…ということだろう?」 奏多さんの質問に 「「……」」 ふたりは無言で答えた。
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