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「いってぇ……」
言葉と共に、俺は目を開けた。
視界には真っ暗な場所。
頭が割れそうにガンガンしている。
痛む頭に手をやると、当てた手がじっとりと湿るのがわかる。いや、手、だけではない。髪の毛も又、湿っている。
「ここ、何処だ?」
曲げていた足を伸ばすとすぐに硬いものにぶつかる。どうやら自分が倒れている場所は狭い所のようだ。
それに、この感触は……。冷たい……。
頬が当たっていた所はやんわりと温かいが、周りはひんやりと冷たい。
うつ伏せのままで反対の方に手を伸ばすと、それもすぐに硬いものにぶつかった。
「…壁? ここが建物の中なら、どこかに電気のスイッチがあるかも…?」
それを伝って何とか立ち上がるとそのまま前後左右に両手を這わした。
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