ーー 無くなった記憶 ーー

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「あなたは頭を殴られて、部屋に倒れていたところを救急車でここに運ばれてきたんですよ」 「救急車……」 では、発見されたのは俺だけではない。 あのバスタブの中にいた…女性も……。 「目が覚めたら会いたいって人がいるんですけど。大丈夫ですか?」 「俺に、会いたい人……?」 それが一体誰なのか不安が過る。 警察か……? だが 意外にもドアを開けて病室に入ってきたのは 「先輩!!」 マンションに来た女の子のひとりだった。 「せ、先輩……?」 女の子は俺の傍に小走りでやってくる。 「先輩、大丈夫ですかっ?! わたし、あれから先輩のことが気になって…。先輩はあんなことする人じゃないって……警察の人にはそう言ったんですけど……」 「警察…?」 …一瞬、身体が固まる。
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