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「はーい、一般の方のお席はこちらになりまーす!」
「はい、こちらで受付をお願いいたします、
はい、日浦・・・義純さんですね、
ご参加は初めてですか?
こちらのバッジをお付けくださいね。」
・・・見れば若い女性も多い。
宗教にハマりそうな「独特」の雰囲気を持つ子もいれば、
そこいらの若者と、なんら区別のできない者もいる。
年配のものは、儀式の準備に余念がない。
人員配置にも気を配っているようだ。
今、受付を済ませた男、日浦義純は信者ではない。
かといって、
現代社会に憂いを覚え、宗教に救いを求めた迷える子羊ですらもない。
仕事である。
それも、
他人にその素性を明かすことのできない、
特殊な事情に身を置いている・・・。
彼もまた、
この現代社会においては異端の存在なのである。
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