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「ところで、涼香ちゃーん」
再出発してすぐ、皆に飴を配ってた満里奈ちゃんが私の腕にくっついてきた。
「なぁに? 満里奈ちゃん」
「さっき、スマホの画面見ながら盛大にニヤついてたけどぉ。
土岐くんから、どんな甘い言葉が送られてきたの? 教えてよー?」
「えっ!? あま、あまままっ?」
「ぷっ! 慌てすぎだってば!
その様子だと、デロ甘すぎて砂吐きそうなのが送られてきたと見たよ?
ほら、白状してみなされ!」
「……デロ甘? よく分かんないけど、砂は大丈夫よ? だって――」
「ほらほら!」と、くっついた腕をグリグリしてきた満里奈ちゃんに、奏人がもう次のチェックポイントに到着したことを話した。
「……え? たった、それだけ?」
「うん、それだけよ?」
「うあぁ! 何なの? リアル土岐くんの、その素っ気なさは!
二次創作における奏武のほうが、もっと甘い台詞バンバン垂れ流してるわよっ!?
そんなんじゃあ、次回作の参考にもならないじゃん!」
グリグリされてたはずの腕が、今度はグリングリンと横に振られた。
『次回作の参考』って……。
満里奈ちゃん、また取材してたのね?
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