1 君と歩く、翡翠の道 ♯1

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「ところで、涼香ちゃーん」 再出発してすぐ、皆に飴を配ってた満里奈ちゃんが私の腕にくっついてきた。 「なぁに? 満里奈ちゃん」 「さっき、スマホの画面見ながら盛大にニヤついてたけどぉ。 土岐くんから、どんな甘い言葉が送られてきたの? 教えてよー?」 「えっ!? あま、あまままっ?」 「ぷっ! 慌てすぎだってば! その様子だと、デロ甘すぎて砂吐きそうなのが送られてきたと見たよ? ほら、白状してみなされ!」 「……デロ甘? よく分かんないけど、砂は大丈夫よ? だって――」 「ほらほら!」と、くっついた腕をグリグリしてきた満里奈ちゃんに、奏人がもう次のチェックポイントに到着したことを話した。 「……え? たった、それだけ?」 「うん、それだけよ?」 「うあぁ! 何なの? リアル土岐くんの、その素っ気なさは! 二次創作における奏武のほうが、もっと甘い台詞バンバン垂れ流してるわよっ!? そんなんじゃあ、次回作の参考にもならないじゃん!」 グリグリされてたはずの腕が、今度はグリングリンと横に振られた。 『次回作の参考』って……。 満里奈ちゃん、また取材してたのね?
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