1 君と歩く、翡翠の道 ♯1

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「白藤ちゃん、何かあったんかぁ?」 くいっと首を曲げて覗き込んでくる瞳は、綺麗な茶色。 ちょっと垂れ目なせいかしら? それとも、瞳が大きいからかな? こんなに背が高いのに、幼い印象よねぇ。武田くんって。 「おーい、聞いてるー? 大丈夫かぁ?」 「あっ、ごめんなさい。 あの、私がお花を見て足を止めたから高階くんにも迷惑かけちゃったの。ほんとにごめんなさい!」 今度は身体ごと曲げて心配顔を見せてきた武田くんに、慌てて謝った。 「そっかぁ。ま、大丈夫なら行くべ? 前のふたりも……あー、戻ってきてるわ」 「あ……美也ちゃん、満里奈ちゃん」 「涼香(すずか)ちゃん!」 「どうかしたの?」 武田くんの言葉に前方に目を向けると、笹原美也(ささはら みや)ちゃんと安倍満里奈(あべ まりな)ちゃんが小走りで戻ってきてた。 うわぁ、どうしよう。 私のせいで皆に迷惑かけてる……。
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