1 君と歩く、翡翠の道 ♯1

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「美也ちゃん、満里奈ちゃん。ごめんなさい! 私、お花を見るのに夢中になっちゃって……」 「え? どのお花?」 「あ、これでしょ? 可愛いねぇ」 「写真撮ろ! 写真!」 「私も、撮ろー」 ……え? 迷惑をかけたことを謝ったんだけど、全然気にしてないみたいなふたりがパシャパシャと写真を撮り出しちゃって、顔の前で合わせた両手が手持ち無沙汰な私。 「白藤ちゃんも撮れば? 写真」 「だね。俺も撮っておいて、後で基矢に確認しようかな」 ニカッと笑った武田くんと、頷いてスマホを取り出した高階くん。 「ほら、涼香ちゃんも撮りなよ」と、誘ってくれる満里奈ちゃん。 「こっちの角度からがいいよ?」と呼んでくれる美也ちゃん。 勝手なことして迷惑かけた私なのに、皆優しくて、あったかいなぁ。
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