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次の週末から、バイトが始まった。
集まったのは、私を含めて7人の高校生。皆、女子だ。
全員がそろうと、田中さんが指示を出した。
「みんな、足を広げて、座って。」
足を広げる?なぜ?
質問しようとしたが、田中さんはやることがあると言って、その場を離れた。
折り紙を折るのは、小学校の中学年以来だ。
「さあ、頑張るぞ。」
気合いを入れて、折り始めた。
あれは、幼稚園の年少か年中の頃だろうか。
折り紙を折ることが大好きだった私は、何か折るたびに、優加や友達、幼稚園の先生にプレゼントしていた。
ある日、父が熱を出して、寝込んだことがあった。幼稚園の先生に、入れ物の作り方を教わって、それに風邪薬を入れて、ベットの横に置いた。
すると翌朝、父の熱は下がっていた。
「真希。ありがとう。お前は、パパのエンジェルだよ。」
そう言って、私を抱き締めてくれた。あの頃は、父が理想の男性だった。それは、今でも変わらない。
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