2013年1月19日 スターバックス 仙台市駅前センター店

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店内には、珈琲の香りがどぎついほど漂う。口内に苦味を感じる程、蒸せ返る香気は如何にもチェーン店といった装いだった。 カウンター手前には、幾人かの列が出来ており、テーブル席は満杯。 「コーヒーを一杯」 すらっとしたシルエットスーツの男性が、ホットコーヒーのラージサイズを注文する。 「540円です」男は一万円で支払う。 「はい、お返しは……」と元気に接客する女性店員を遮り、紳士が世間話をするように親しげに話す。 「お釣りの分、後のお客さんのコーヒー代を払ってあげて欲しい。余った分は……そうだな店内に設置されていた義援金箱に入れたらいいだろう」 紳士の発言の後に、2.3の押し問答があったが、店員に納得してもらい、紳士は帰っていった。 理由については語らなかった。ただ、一言。 「こういう日があっていいじゃないか。たまにはいいんだよ、たまにはね」
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