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昔々、ある村に言い伝えがありました。
大雨や日照りが続くと、神様が村人に怒っていると言われていました。
なので神様の怒りを買わないよう、村人はお供えを忘れないようにしています。
けれど、言い伝えを信じない村長になった途端。
たくさんのお供えを止めてしまいました。
お供えを少なくし、1年後。
初めは、雨の降る量が減り始めました。
2年後、日の照る時間が増え、夜の時間が少なくなりました。
3年後、大切に育てている植物が、育たなくなりました。
今までは、貯めておいた食物で過ごしていた村人。
村の言い伝えは本当なんだ、と言い始め。
村長の家にたくさんの抗議が集まりました。
言い伝えによると神様の怒りを静めるためには、
怒りの元を生み出した者の、一番大切な者を贄とするものでした。
村長には、大切な娘が二人いました。
どちらも器用良し。
一人は太陽のように明るい姫と呼ばれ、
もうひとりは月のように静かに佇む姫と呼ばれていました。
太陽のように明るい姫を明姫と呼び、
月のように静かに佇む姫を静姫と呼びました。
村長は渋々二人を贄にすることにし、神の住むという湖の辺に二人を置き去りにしました。
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