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父親である村長がいなくなった途端、明姫は妹である静姫に言いました。
「わたしは逃げるわ。こんなところで、死んでなんかいられない」
静姫は困りながら、明姫の腕に縋りました。
「お姉さま、それでは村人が助かりません。お父さまの責任は、わたしたちが取らないと」
「そんなこと関係ないわよ! お父さまのせいで、わたしの縁談が破綻するなんて有り得ないわ!」
明姫にはとある国のお殿さまとの縁談が持ち上がっていたのです。
「それは……」
「あんたは村に好きな人いるんでしょ!村に残りたいあんたが生贄になればいいのよ!」
明姫は静姫を突き落とし、大きな湖の中に突き落としました。
明姫は静姫の姿が見えなくなると、とある国に向けて歩き始めました。
しかし、明姫を手助けしてくれる者は誰もいません。
身につけていた装飾品を売ったお金は、底をつきました。
明姫は縁談のあった国に到着できないまま、命を落とすのでした。
さて、村はどうなったのでしょう。
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