第2章山賊退治

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ティーチはこれを前方に転がる事で意表をついて避けると、目の前にいた山賊の顔を殴り気絶させた。彼は気絶させた山賊の刃物を奪うと対角線にいた山賊の脚の腱を狙って投げた。足の腱に深々と刺さる刃物に山賊はもんどりうって倒れる。そして声にならない苦痛の表情を浮かべ嗚咽を漏らした。これをきっかけに数に優れる山賊の余裕は消えうせる。倒れてもがく仲間の姿とティーチの血塗られた大鎌に畏怖の念を抱きはじめた山賊は逃げる事も戦う事も忘れ、その場に呆然と立ち尽くしていた。しかし今だ8人の部下を残す親玉はその畏怖を感じる事もなく、部下達に激を飛ばした。 「てめぇら何してやがる?俺の的になりたいのか?」 山賊の親玉の言葉で山賊達は震えながらもティーチに戦意を向けた。 「く……くそぉぉ!」 自らを奮い立たせる様に大声をあげ、4人の山賊が同時にティーチを襲う。それに便乗し、二人の山賊が背後からも奇襲をかけた。しかし、ティーチはまるで背中にも目があるかの様に背後からの攻撃を避ける。すると的を失った山賊は仲間同士でぶつかり一瞬の隙が生じた。ティーチはすかさずこの6人の山賊達を大鎌でなぎ払った。その大量の血によって廃村の荒れ果てた地は赤く染まり、こうして出来た恐ろしい光景にいよいよ腰が抜けた残りの山賊はティーチに背を向けてその場から逃げだしていくが、親玉はこれを止める事が出来なかった。
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