第1章『普通の日常』

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「やっぱりカノンだったか」  メールの送り主『カノン』は龍也がやっているネットゲーム『フィクス・マーテル・エピソード』、通称『FME』のコウとライの二人のチームに2ヶ月位前に入ってきて、謂わば後輩的な存在である。  カノンは普段忙しく、ログイン出来るのは、週に2~4回で、入れる日の朝に龍也にメールをすることになっている。何故、メアドを交換したかは、カノン本人からの要望。ちなみにコウはカノンのメアドを知らないため、コウへの連絡は龍也がしている。 「さて、そろそろ行くかな」  龍也はいつもの登校時間になったので短く、『了解』と返信をして家を出た。  龍也の通っている高校、『文光(ぶんこう)私立高等学校』は近場で徒歩約20分、最大の理由は『近いから』であった。
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