第1章『普通の日常』

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 HPが0になったため、コウのアバターが光となって消えた。 『さて、俺はのんびりそっちに戻るからな』  今頃アイツはスタート地点で復活したころだろう。 『ライ、このヤロー。戻ってきたら覚えてろよ』  『ライ』それが俺のアバターの名前だ。  復活したアイツがチャットしてきた。この文面から結構怒ってるな。まぁ俺がトドメさしてアイツがモンスターを倒して稼いだ金の五割は俺が貰ったからな。 『けどさー。元はと言えばお前が見えてる落とし穴に落ちたのが原因だろ』 『お前がその見えてる穴に体術の『体当たり』で俺を突き落としたんだろうが!!』  体術『体当たり』は相手を突き飛ばす技だ。パワーのパラメーターを上げれば上げる程、受けた相手の怯む時間を長くさせる。  しかし、相手が大型モンスターだと効果は薄い。だから使うのはアバターと同じ大きさのモンスター。もしくは同じプレイヤーに使う技なのだ。
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