"少女"と"少年"

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子鬼はひょこひょこと幽に近付くと、手を伸ばして裾を引っ張った。 しかし何の反応も示さない幽に不思議そうに首を傾げた。 ーー『どうした?何かあったか?』 狛凰の問いに、子鬼はきぃきぃと鳴くだけで、狛凰にはなにを言おうとしているのか理解出来なかった。 ーー『ん~?困ったな、お前の言葉分かんの幽だけなんだが、その幽がこんな状態だからな……』 すると、困った表情の狛凰が姿をあらわした。 子鬼は今度は狛凰に近寄り、よじ登ろうとする。 狛凰は小さく笑うと子鬼の首根っこをつまみ、肩に乗せた。 そしてそのまま幽の方に歩いていき肩をつかみ軽く揺さぶった。
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